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サスペンス大傑作 黒澤明「天国と地獄」

1 :この子の名無しのお祝いに:2006/01/22(日) 14:46:36 ID:2sfxJS9L
エド・マクベイン原作“キングの身代金"を小国英雄、
菊島隆三、久板栄二郎、黒澤明が共同で脚色、黒澤明
が監督した刑事もの。黒澤明監督の現代劇では最高傑作
と思われる。前半の権藤邸で繰り広げられる密室劇から
後半のジェットコースタームービーのような展開への巧妙
な転換が素晴らしい。内容的にも怨恨が目的でなく羨望、
嫉妬が直接の犯行原因になっている点が普通の誘拐事件
よりも一層恐ろしい感じがすると同時に事件に複雑さを
加味している。また、犯人、被害者、警察関係者のみなら
ずナショナルシューズの経営陣や債権者、捜査協力者達の
ディティールまでもが着実に描写されている事が超一流の
サスペンスドラマへと昇華した理由ではないかと考えさ
せられる。更に映像面でも疾走する急行列車の窓からの
鞄の投下、煙突の煙のパートカラー、伊勢佐木町根岸屋
の麻薬受渡し、黄金町の魔窟、靴屋のウィンドウ前での
権藤と竹内の邂逅、腰越の待伏せ等、非情に印象的な場
面を幾つも挿入している。これほど歴史的名シーンの多
い映画も珍しい。
この大傑作について語り合おうぜ。


247 :この子の名無しのお祝いに:2006/05/01(月) 22:56:32 ID:ch9mBpC8
これはあくまでも俺個人の意見なんだけど、
山崎努の根本的な犯行動機っていうのは、「自分自身を除く世間全部に対する激しい憎しみ」だったんじゃないか?って思うんだが。
彼の三船に対するラストシーンでの独白から考えると、それ以外に無いように感じる。
ターゲットになった三船の靴会社の社長さんは、あくまでも、彼の目の前に存在した手近な「自分より良い境遇の代表」として選んだにすぎない気がする。

この犯罪によって、彼は自分の優秀性を世間に示すとともに、自分を冷遇している世間に対して復讐したかったんじゃないか?
それを実現する為に、彼は三船に代表される金持ちと、官憲である警察を苦しめたかったんじゃないか?
だからその目的を達成した時点で、「自分の優秀性の誇示(警察の裏をかく)」も、「世間を苦しめる事(三船と失敗した警察を心身ともに苦しめる)」も達成できたから、人質の少年を簡単に開放したんだと思う。
人質を殺さなかったのは「この少年を解放しても、優秀な私を捕まえる事はできないよ」というメッセージだったはず。
山崎努が、犯行後、三船を讃える新聞記事を読んでブチ切れるシーンからも、読み取れると思う。

(つづく)

248 :この子の名無しのお祝いに:2006/05/01(月) 22:58:22 ID:ch9mBpC8
<467の続き>

その目的のためには、共犯や無関係のヤク中女を殺害する事になんら、ためらいは無かったろう。
だってそれらの人間も、彼にとって「憎むべき世間」の一部なわけだから。

上のような理由から、山崎努の動機を「上のものに対して嫉妬」「高みにいる人間を引き摺り下ろしたい」「自意識過剰」といったピンポイントではない、と思う。


この映画独特の後味の悪さっていうのは、ラストシーンの山崎の独白によって、
犯人山崎が観客である我々をも「憎むべき世間」の一部として憎んでいた事、彼に翻弄された三船もただの「世間における多数の中の一人」にすぎなかった事を思い知らされたからだ、と思う。

「こんなに俺は優秀なのに、どうして俺には金が無いんだ?どうしてこんな酷い環境で生活しなきゃならないんだ?」
と思い続けた結果、
「世間全体が憎い」という気持ちに発酵していったんじゃないかと思う。
それで、目に付いた窓から見える丘の上の豪邸の住人、三船を被害者に選んだ・・・と。
(この辺は、ラストシーンでの山崎の独白で語っていると思うけど)

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